反対咬合

反対咬合には「骨格性の反対咬合」と「歯性の反対咬合」があります。


「骨格性の反対咬合」

 骨格的に上顎骨が引っ込んでいる 矢印①

 骨格的に下顎骨が出ている 矢印②

 上記の両方

により反対咬合になる


「歯性の反対咬合」

上記のような骨格的な問題はないが、前歯の傾きが

 上の前歯が舌側(内側)に傾斜している 矢印③

 下の前歯が唇側(外側)に傾斜している 矢印④

 上記の両方

により反対咬合になる


反対咬合による弊害


 前歯の咬み合わせが反対なので、咀嚼効率が悪い

 上顎が小さかったり、上顎前歯が引っ込んでいたりするので、
   舌の動きが制限され、サ行・タ行が発音しにくい

治療方法(小学生の場合)


骨格性反対咬合の場合

1期治療として、上顎前方牽引装置を寝ている間に使うことにより、上顎骨の成長を促進し、下顎骨の成長を抑制する事により反対咬合を改善します


上顎前方牽引装置

<治療例>


治療前

前歯が反対咬合です
セファロ分析の結果、上顎骨が引っ込んでいたので、上顎前方牽引装置を使いました

1期治療中

反対咬合が改善されました

口元の変化


治療前

反対咬合のため、上口唇よりも下口唇が突出しています

治療中

反対咬合が改善され、自然な口元になりました。

主訴
うけ口が気になる
診断名
反対咬合
年齢
8歳
治療に用いた装置
上顎前方牽引装置
治療期間
動的処置8か月+保定観察2年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 275,000円
調節料 3,300円x 8回(動的処置)+3,300円x 8回(保定観察)


リスクと副作用

  • 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要で あり、それらが治療結果や治療期問に影響します。
  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で 慣れることが多いです。
  • あごの成長発育により、今後かみ合わせや歯並びが変化する可能性があり ます。
  • 今後、2期治療が必要になる可能性があります。

歯性反対咬合の場合

1期治療として、取り外しができる装置を寝ている間に使うことにより、舌側傾斜している上顎前歯を唇側に傾斜させ、反対咬合を改善します

床矯正装置

<治療例>


治療前

セファロ分析の結果、上の前歯が舌側(内側)に傾斜していて、骨格的には問題なかったので、床矯正装置を使いました

1期治療中

反対咬合が改善されました

主訴
うけ口が気になる
診断名
反対咬合
年齢
8歳
治療に用いた装置
床矯正装置装置(弾線付)
治療期間
動的処置10か月+保定観察2年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 275,000円
調節料 3,300円x 10回(動的処置)+3,300円x 8回(保定観察)


リスクと副作用

  • 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要で あり、それらが治療結果や治療期問に影響します。
  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で 慣れることが多いです。
  • あごの成長発育により、今後かみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 今後、2期治療が必要になる可能性があります。

治療方法(大人の場合)

顎骨の成長は利用できないので、基本的にはブラケットという装置を個々の歯に付けて、ワイヤーを通して歯を動かす治療方法になります。
ただし、骨格的なズレが大きく、矯正治療単独では反対咬合の改善が困難な場合は、手術を併用した外科的矯正治療になります。

<治療例>


治療前

前歯が反対咬合で、上の歯と下の歯が咬み合っていません
右下の小臼歯と左下の親知らずを抜歯して、下の前歯を引っ込めながら、全体の咬み合わせを整える矯正治療をしました

治療後

反対咬合が改善され、全体で咬み合う様になりました

主訴
反対咬合が気になる
診断名
反対咬合
年齢
22歳
治療に用いた装置
表側ブラケット装置
抜歯部位
右下第一小臼歯、左下第三大臼歯(親知らず)
治療期間
動的処置1年10か月+保定観察3年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 682,000円
5,500円x 22回(動的処置)+5,500円x 12回(保定観察)


リスクと副作用

  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のりスクが 高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが やせて下がることがあります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。