叢生(でこぼこ)

歯ならびが凸凹した状態
いわゆる八重歯や乱杭歯

叢生による弊害


 歯磨きがしにくいので、むし歯や歯周病になりやすい

 上の歯と下の歯が咬み合わないので、咀嚼効率が悪い

 見た目が良くない

治療方法


学童期の場合(1期治療)

歯列の幅が狭いことによる凸凹の場合、1期治療として拡大床により歯列を拡げて、歯を配列します。

拡大床

*ただし、すべての学童期の叢生症例が拡大床で治る訳ではありません。精密検査のあと、拡大床による治療の適応と診断された場合のみ、治療をします。


<治療例>

治療前

上の前歯が凸凹していて、上下の歯が咬み合っていません。歯みがきもしにくいです。

1期治療後

前歯がきれいに配列され、上下の歯が咬み合い、歯みがきもしやすくなりました。

主訴
歯並びの凸凹が気になる
診断名
叢生
年齢
8歳
治療に用いた装置
床矯正装置(拡大床)
治療期間
動的処置1年半+保定観察2年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 275,000円
調節料 3,300円x 18回(動的処置)+3,300円x 8回(保定観察)


リスクと副作用

  • 取り外しができる矯正装置は、患者さんがきちんと医師の指示どおり装置を使わ ないと効果がでません。患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結 果や治療期問に影響します。
  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で 慣れることが多いです。
  • あごの成長発育により、今後かみ合わせや歯並びが変化する可能性があり ます。
  • 今後、2期治療が必要になる可能性があります。


大人の場合(中学生以降の永久歯列期)

基本的にはブラケットという装置を個々の歯に付けて、ワイヤーを通して歯を動かす治療方法になります。

<治療例>


治療前

八重歯です、上の歯と下の歯が咬み合っていません。
歯を配列するスペースが足りないので、小臼歯を抜歯して治療をしました。

治療後

八重歯が改善され、上下の歯が咬み合う様になりました。

主訴
八重歯が気になる
診断名
叢生
年齢
16歳
治療に用いた装置
表側ブラケット装置
抜歯部位
上下顎左右第一小臼歯
治療期間
動的処置2年3か月+保定観察3年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 682,000円
調節料 5,500円x 27回(動的処置)+5,500円x 12回(保定観察)


リスクと副作用

  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のりスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。

<叢生+上下顎前突の治療例>

上下顎前突とは、上下の前歯が前方に突出(傾斜)した状態の事です。



<治療前>

上下の前歯が凸凹しながら、前方に突出しています。前歯は咬み合っていません。
上下の前歯が歯列に収まらない状態なので、小臼歯を抜歯して、配列しました。
前歯を引っ込めて、口元の改善も図ったので、矯正用アンカースクリューを使いました。

口元は突出しています。

<治療後>

きれいに配列され、咬み合わせも良くなりました。

口元もすっきりしました。
口唇がE-lineに収まりました。

主訴
歯並びの凸凹と口元の突出感が気になる
診断名
叢生を伴う上下顎前突
年齢
24歳
治療に用いた装置
表側ブラケット装置、歯科矯正用アンカースクリュー
抜歯部位
上下顎左右第一小臼歯
治療期間
動的処置3年+保定観察3年
治療費
検査・診断料 33,000円
装置料 682,000円
調節料 5,500円x 36回(動的処置)+5,500円x 12回(保定観察)


リスクと副作用

  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のりスクが 高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが やせて下がることがあります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することが あります。その場合、再治療等が必要になることがあります。

E-lineとは?